ジャパンビンテージなんてうそ!そんなに価値がないって聞くけど、実際のところどうなの?

ソフィ

ジャパンビンテージって
いわれるギターは作りが
良いって聞くし、
本家のギターにも
肉薄するときくにゃ。

でも中には偽物や
そんなに価値はないとも
聞くにゃ。

ジャパンビンテージって
やつは嘘なの?

最近巷でジャパンビンテージと
もてはやされるギター。

クオリティは本家も凌駕する
といわれるなかで、
実はなんてことない普通のギターだ
という声もあります。

実際のところどうなんだろうと
気になりませんか?

結論からいうと、
ジャパンビンテージギターは
「安く手に入る良品」です。

なぜならジャパンビンテージ
とはいいつつも本家とは
もちろん違います。

それに現代のギターに比べて
優れているとも言い難いからです。

この記事ではジャパンビンテージが
もてはやされている理由をもとに、
ジャパンビンテージの真の価値を
紐解いていきます。

ジャパンビンテージの価値はうそ?

ジャパンビンテージというのは
幻想なのか。

それを紐解く前にまずビンテージの
意味を考えてみよう。

ビンテージとはもともと
「ワインぶどうの収穫年」を
意味する単語です。

そして良いワインができた年は
グッドビンテージといわれ、
その年のワインは美味しいと
評判になるわけです。

その影響でしょうか?
ビンテージという単語だけで
格式を持ったクラシカルな雰囲気
感じさせます。

ということで”ビンテージ”を
一言で表すなら、当たりの年
という言葉が最適でしょう。

ビンテージギターとは何を指すのか

さて、渦中のエレキギターに関しても
ビンテージという単語は
使われています。

その意味としては以下の通り。

10年以上前との使い方には相反するが、エレキギターに関してはフェンダー社のストラトキャスターにおいて特に顕著に特徴が見られる年代の物を指す。1954年製造開始、1962年ローズ指板登場、1968CBS買収直前モデルなど。またGibson社から1958年に発表された“レスポール”も同様で、現在は主に1960年代1970年代前半の物に使われる。

wikipedia

とまぁこんな感じ。

エレキギターのビンテージを
そのまま意味として使うのであれば
下記にまとめられる。

ストラトでいえば60年前後、
レスポールでいえば58年あたりの
モデルだけがビンテージギター

それ以降から現代までのギターは、
それをコピーするようにボディ形状や
ピックアップを作っている。

つまりそれは、GibsonもGrecoも
すべてのギターは”コピー品”であり
ビンテージもなにも
あったもんじゃない。

57クラシックやPAFも、
当時のものを再現しようと
躍起になってるだけのコピー品。

ヴィンテージという観念では、
60年代以降のGibsonだろうが
Grecoだろうが平等に価値はない

だって60年代に作られた
ビンテージのギター以外はすべて、
それらを模造して作った偽物
なのだからね。

とまぁ少々乱暴な結論ですが、
オリジナル以外は
ビンテージといわれない
ということでしょう。

ジャパンビンテージは作りが丁寧という価値

次にビンテージの理由として
挙げられるのは
「作りが丁寧」という価値。

ジャパンビンテージという価値観を
持つ人はこのあたりが
重要なんじゃなかろうか

一般的にジャパンビンテージと
言われるのは諸説ありますが、
70年代後半から80年代中期までのもの
を指す。

この頃はマツモク荒井貿易
現代も素晴らしいものを作る
フジゲンなど。

これらのメーカーがこぞってGibsonや
フェンダーをコピーしていました。

60年代から実物が手に入らなけりゃ
写真をもとに作ったり、本物を見て
コピーしたりとそりゃすごい努力です。

その結果、70年代後期からはもう
本家と見紛うほどの完成度
なります。

その影響でコピーはやめろと
本家に釘を差されたりするわけ。

その後80年代に入り、
買収などの影響で事実上
ストラトキャスターの生産技術を
失ったフェンダー。

そのフェンダーが工場再建のために
日本から技術者を呼び、フジゲンが
ストラトの制作を指南したのです。

つまり、これ以降のストラトは
ストラト第二世代で、
全て日本製と言えるのでは
ないだろうか?

無理か。

このような事実から、
当時のものは作りが良い
いわれるのかもしれない。

ただ冷静に考えてください。

機械の精度は当然のように
現代のほうがよく、加工技術も
優れています。

それに今までの
ノウハウの蓄積もあり、
作りの良さでは絶対的に
現代のギターの方が良いのです。

なので僕は国産ギターが大好きで、
そればかり扱っています。

FERNANDESのRAVELLEなんて
精度も高けりゃネックも
そらないように工夫されてたりと、
すごくいいですよ。

そう、日本の楽器史においては
非常に価値はあるが、
楽器自体の作りが特別良いか
いわれると微妙。

手作りおにぎりが美味しいか、
機械できれいに作られたおにぎりが
美味しいかぐらいの違いでは
なかろうか?

つまり好み。

蛇足だけど現代であっても
Gibsonの製造技術なんてひどいもの。

ツイッターなんかでも日夜、
Gibsonの作りの悪さはよく聞く。

作りの良さを重視するなら、
Gibsonなんてフォトジェニックより
価値ないんじゃない?

さすがに言いすぎな。

ただビンテージで見るなら、
コピーで試行錯誤して作っている
60年代。

このころのほうが
オリジナリティがあり
唯一無二であり、ある意味
ビンテージなのかもしれないね。

ジャパンビンテージは使ってる木材がいい

次に言われるのが使ってる木材が
良いという話。

昔は現代では使えないような
良質な木材が豊富にあった
といわれるからね。

そりゃそうだよね。

確かに現代ではGibsonやMartinが
人工素材を使うほどには木材が
枯渇してきている。

ただどうだろうか。

例えばGibsonは最近、
ウェイトリリーフやチェンバードなど
公開しており、現代の技術のように
いっています。

ですがこれは80年代には
すでにGibsonは密かに
使っていました。

理由は質が悪く重い木材を
なんとか使えるようにするためです。

レスポールモデルはもともと4kg程度。

ですが質の悪い木材を使うと
非常に重くなってしまう。

長時間演奏するギタリストとしては、
軽くて使いやすいギターに
行きたくもなります。

するとGibsonの販売力が落ちます。

それでも木材の質を落としつつも
ギターを生産するために
重さを調整するウェイトリリーフ
という手法を編み出しているのです。

古いギターをX線で確認したときに
穴が空いていたというのは
割と有名な話。

そう、すでに当時から良い木材は
減ってきているのです。

この時点で国産であろうと、
安価なモデルに良い木材を
使っているとはいいきれない。

というわけで木材云々も微妙です。

ジャパンビンテージは投機対象になりえるか

といわけでビンテージといえば
希少価値や投機の対象となるか。

これも大きな論点。

ですがそもそも、
投機の対象がビンテージ
いうのなら年代など関係ないはず。

B’z松本モデルなんて10年やそこらで
2.5倍近い価格にまで
跳ね上がっているからね。

もともとは60万で売ってたギターが、
今じゃ150万だからねぇ。

楽器業界の悪態を見たね。

これこそGibsonがこいつを
60万ぐらいでまた再生産してくれれば
価格も落ち着いてファンも喜ぶのに。

商売までGibsonクオリティ。

ファンを喜ばせる気がない。

まぁ余談はここまでとして、
ジャパンビンテージは最近でこそ
若干値段が上がってきています。

てゆーか
今まで価値もつかなかったものを
”ジャパンビンテージ”と名付けて
値付けを始めた
というのが正しいだろう。

なので今後も値段が上がるか?
といわれると微妙。

先の話もしかり、
希少価値という意味では
どんどん市場に出てきているので
希少価値はなかろう。

あとは楽器屋の戦略と、
この幻想にみんな気づくか
どうか次第だろうね。

まとめると、

  • ジャパンビンテージは特別なものではない
  • ビンテージの音がするとか作りが良いとかは幻想
  • 現代ギターのほうが作りが良いに決まってる

つまるところ、
ジャパンビンテージの価値。

これはこの一言に集約されるのです。

ジャパンビンテージ=安く買える良品

ジャパンビンテージが20万でGibsonが20万だったらGibson買うよねって話

つまるところジャパンビンテージの
真の価値は「良品が安く買える」

これに尽きる

ビンテージとは、当たり年かどうか。

つまりそれ自体に価値が
感じられるかどうかだ。

例えばGibsonレスポールと80年代
Grecoのレスポールコピーである
EG-650が同じ値段で並んでたとする。

Gibsonレスポールはそこらで普通に
買えるもの、方や80年代の
ジャパンビンテージ。

でもどっちかを買うとなれば、
Gibsonを買う人がほとんどのハズ。

ジャパンビンテージには
Gibsonほどの価値は感じられない
ということだ。

それに良質なギターがほしいなら、
現代の国産ギターを買えば
間違いない。

先程の通りサポートもあるし
最新の機械は加工技術もよく、
品質も抜群だ。

でも同じ国産でほとんどか
わらないなら安い方を選びたい。

その隙間に入っていくのが
ジャパンビンテージなのです。

僕のように
”手頃な価格でちゃんと使える
生まれ年のギター”を手にする
という夢が手軽に叶うのも
ジャパンビンテージの良いところ。

ただそれだけであり、
このギターに必要以上に
幻想を抱かないのが
得策ともいえるでしょう。

というわけで、
ジャパンビンテージの価値は
「良品が安く買える」ことです。

これはうそでもなんでもないのです。

ただ、楽器屋やフリマアプリで
オカルト的に提示されている、

  • ヴィンテージの音がする
  • 作りが良い
  • 良い木材を使ってる

などという売り文句に騙されて、
高額を払うようなギターでは
ないのです。

正しい目を持ち、
ジャパンビンテージのうそではなく
「売り手さんのうそ」に
騙されないように気をつけましょう。

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