エピフォンのレスポールカスタムライトってどんなギターなのか気になります。
だって本家EpiphoneのHPにも載ってないですし、販売サイトもほとんどありません。
せっかく中古で見つけて欲しくても、しっかりした情報がないと決断できませんよね。
でも大丈夫です。
ここではエピフォンのレスポールカスタムライトの情報をまとめ、実際に購入して弾いてみた感想を乗せていきます。
この記事を読みおわるころには、あなたもエピフォンレスポールカスタムライトのマスターといえるでしょう。
Contents
エピフォンレスポールカスタムライトについて
エピフォンレスポールカスタムライトはGibson傘下のEpiphoneから発売された、軽量なレスポールモデルです。
では以下に簡単にスペックを紹介していきます。
このレスポールライトには、レスポールカスタムの他にスタンダードタイプもある。
これらの発売はおそらく2019年2月。
ボディはレスポールらしくマホガニーボディにメイプルトップの仕様。
そこにチェンバー構造が採用されています。
ピックアップにはEpiphoneのクラシックハムバッカー搭載。
これはGibsonの57クラシックをもとに開発されたピックアップらしい。
ヘッド形状は、両端を凹んでまとめてある旧式のヘッド。
レスポールライトと他のものとの見分け方は重さが一番確実だけど、ロッドカバーに書いてあるLesPaulCustom”LITE”の文字で見分けられるよ。
販売価格は、
スタンダードが46,200円(税込み)
カスタムが59,400円(税込み)
となっています。
とまぁ端的に述べましたが、これらの詳しいスペックは公式サイトにすら残されておりません。
現在では販売終了してるので販売サイトもなけりゃ新品を取り扱ってるサイトもない。
なので今回記事を書くにあたって、バラバラな情報をまとめながら書いている所存です。
なんとなく存在感の薄いとうか、影の薄いモデルですね。
なにか裏社会に精通しているのか、Gibson社の怒りでも買ってしまったか。
ちょっとかわいそうなモデルです。
まぁこれ以外でもEpiphoneは販売終了したモデルに対してはあっさりしているので、単に販売数がすくなく情報の少ないモデルと考えて良いでしょう。
では今回僕が入手した、レスポールカスタムライトのスペックを紹介していきます。
まずシリアルナンバーから解読した結果
- 2018年10月頃
- 中国の青島工場で製造された
とまぁ一般的なエピフォンレスポールと同じです
このレスポールを語る上で特筆すべきは2点。
- チェンバードボディ(チェンバーボディ)
- エボニー指板
チェンバードボディ
なんといってもチェンバードボディです。
これは本レスポールライトシリーズの特権で、このギターの最大の特徴と言えます。
ちなみに真ん中がチェンバードボディで、左右はウェイトリリーフといわれている。
どれも一言でいうと中を肉抜きしたボディのこと。
これらを行うことで、
- ボディの軽量化
- 鳴りの調整
- 製造コストの削減
に繋げられるのです。
まずわかりやすいのがボディの軽量化です。
長時間ライブをするロッカーたちにとって、その重さは疲労のもと。
重すぎて疲れるレスポールは使いづらく、その後登場するストラトやPRS等といった後発ブランドがいかに軽くて使いやすいことか。
これではよろしくないですね。
そこで重量を調整するために中の木を抜くわけです。
まぁこれは実際に持ってみてホントびっくりしましたが、レスポールモデルなのにストラトよりも軽いんですよ。
デザインは大好きなレスポールモデルのまま、取り回しの良さはストラト並み。
好きになります。
次に音の調整です。
これはレスポール好きにとって良いことかどうかわかりませんが、音が違います。
レスポールモデルと言えば中身の詰まった非常に重いボディで弦の振動を殺さず、ぶっとい音を奏でます。
でもちょっと飽きちゃうよね。
そこでこのチェンバードボディでセミアコのような空洞にして、ボディの生鳴りがよくアタック感と空気感の感じられる一風変わった音はどうでしょうか?
というふうにEpiphoneが狙った音を作るために、チェンバードボディ化するという部分もあるのです。
そして製造コストの削減。
これは年々減り続ける良質な木材への対策です。
良質な木材は減り続けており、水分が抜けて軽くて質の良いギター向きの木材の高騰は避けられません。
Gibsonでも最初は4kg程度だったレスポールモデルも、木材が代わって次第に5kg~7kgと非常に重くなっていきます。
発売当初と同じコストで同じようなギターを作り続けるのは至難の業なのですよ。
そこで、多少重い木材でもボディの肉抜きを行うことで、本来のレスポールモデルと同等な重量を保ち、問題ないようにするわけです。
これは構造的なチェンバードボディとはちょっと違い、重量調整のウェイトリリーフといわれています。
これらは廉価モデルのエピフォンだから行っているものではなく、1流ブランドのGibsonもやっている、ちゃんとした技法です。
この当たりについてはこちらのページのほうが詳しく書いてありますので、興味があれば読んでみてください。
https://guitarsele.com/article/feature/gibson-new2017/
本家と同じエボニー指板
特筆すべきポイント第二弾は、このエボニー指板。
この際はっきり言おう。
どうしてなのよオオオオ~~!!
本家Gibsonで50万もの金額で人工素材リッチライトを使った指板のレスポールカスタムを販売しているくせに。
なんで5万やそこらで販売してるEpiphoneがエボニー指板なんだよ!
俺のTAKDCカスタムだって指板はリッチライトだってのに。
それがEpiphoneで、、、
ありえないよねぇ!
ありえないよねぇ!
もちろん木材の質というものもあるしEpiphoneで使ってるエボニーよりも、リッチライトのほうが使い勝手や音の狙いにマッチしている。
カスタムショップで使うようなモノはEpiphoneで使う素材とは一線を画するとは思ってるよ。
でもさ、Epiphoneで使えるなら本家で使えよ!って思っちゃうじゃん!
とまぁ取り乱しましたが、本家のレスポールカスタムと同じエボニー指板を採用しています。
Epiphoneは今までレスポールカスタムであろうと頑なにローズウッド指板をつら抜いてきた中で、ここで突然エボニーを採用し始めたわけです。
価格帯はぜんぜん違うけど、素材に関しては本家の完コピであるレスポールカスタムに興味をひかれないわけがない。
というわけで、この2点がこのレスポールカスタムライトの大きな特徴です。
ちなみに今回ボクがこのレスポールライトに興味を持った大きな理由の一つが、B’zの松本さんです。
というのもB’zファンの方ならご存知だと思いますが、B’z結成30周年。
hinotoriツアーでラブファントムからの新曲を行っていた2018年。
そこで披露&販売されたのが、初代シグネチャーモデルを現代の技術で登場させたキャナリーイエローのレスポールモデルです。
ん?松本モデルなのかな?
どっちでもいいや。
そう。このレスポールモデルにはチェンバードボディが採用されているのですよ。
もともとベンジーの影響でホロウボディのGretschも弾いてみたいぜコノヤロー!と思っていた僕は、なんとなくこのチェンバードボディのレスポールが気になっていたのです。
でも買えるわけないよ!
65万もする上に抽選だよ!?
値上がり必須のこのギターを転売ヤーが見逃すわけがない!
というわけで全く意に介していなかったわけです。
が、先日。
幸運にも目の前にこのレスポールカスタム子がいたわけです。
試奏もしようにもこのセカンドストリートではアンプも通せないし、試奏程度では納得できそうにないスペック。
こりゃ連れて買えるしかないねと、納得しました。
相変わらずのB’z基準。
実際に手にしてみての印象
ではこのレスポールカスタムライトを弾いてみた感想をつらつらと並べていきます。
残念な部分
正直不満なんて言えないですよ笑
本家とここまで競るようなスペックでこの価格なんだよ?
感謝カンゲキ雨嵐だよ。
、、、とはいえ、不満がないわけではないです。
重箱の隅をつつくようですが、いわせてもらおう。
仕上げが雑!この一言につきる!
ここはEpiphoneクオリティです。
木材の質とか組み上げ精度とかいっても言葉にできるほど僕も精通していない。
てゆーか見た目は全然きれいでかっこいいです。
でも弾いたり触ったりしてみるとわかってくる雑さ。
まずはフレットのバリ。
これ人によっては怪我するレベルで尖ってるよ。
良心的なお店ならこれバリの処理してから売ったほうがいいレベル。
こんなふうにタオルの繊維が引っかかるのじゃあ。
解せぬ。
そして次に組付け精度。
僕自身、自分で弾きやすくするために調整するわけだけど、調整できないピックアップ。
高さを変えたいのにピックアップの何かが引っかかってるのか片方だけがせり上がる。
ネック側に斜めってるよね。
これまだかなり善処して、平らに近づけた状態だからね。
そして平らにしようにもこれ、固くて動かない。
これちょっとどうにかせにゃいかんぜよ。
とまぁリペアに出したほうがいいレベルで建て付け悪いです。
Epiphoneヘッドの見た目
次はこれかな。
僕自身は今更感はあるけど、Epiphoneヘッドは微妙。
てゆーか現行型の出っ張ったGibsonぽいEpiphoneヘッドにしておけばもうちょい良かったかもね。
このタイプね。
カジノとかならEpiphoneヘッドがいい。
だけどやっぱレスポールはGibsonぽいヘッドのほうがいい。
ピックアップが惜しい!
これがなんともいえぬ。
このモデルはクラシックハムバッカーといって、Gibsonの57クラシックをもとに作ったピックアップなんだ。
もちろん音に不満はない。
Epiphoneのギターってこんな使える音出すんだと感心したくらい。
ただこのこ、せっかくチェンバードボディでサスティン緩めでカッティングにも使えそうな音なの。
でも最近Epiphoneで流行りのコイルタップでシングルコイルに切り替えできるやつじゃないのですよ。
もったいない。
まぁただその場合は、同時期に発売された”レスポールカスタムプロライト”を選べばできる!
ただ66,960円と、普通のライトと比べて7,000円ぐらい高い!
この価格差をどう見るかって話もあるのだけど、どちらにせよ今ではチェンバードボディのこのモデルは新品入手は困難!
なので、このピックアップを買って載せ替えすればいいのさ!
ソケットを使ったり配線済みだったりと、結構簡単にできるみたいだから気になるならやってみると良いです。
嬉しい部分
嬉しい部分の話をするまえに。
正直な話、このギターは少し弾いてみて次の人に譲ろうと思ってたんだ。
でも意外と弾き心地よくて困ってるのですよ。
それは以下の点から。
軽量ボディ!これに尽きる!
今までレスポールモデルに始まり、
- シェクターのヘルレイザー(4.1kg)
- TAKDC(3.9kg)
- EpiphoneLPS(3.9kg)
- フェンジャパストラト(3.7kg)
こんなギターを使ってきたワタクシ。
そんななかこの子、なんと3.3kg!
ストラトより軽い!
- 軽くて持ち運べるしポリ塗装だから傷とか汚れとか気になんない。
- それに価格も価格だから気にせず持ち運べる。
- 肩にかけて長時間弾いてても全然苦じゃない。
レスポールモデルのくせにすげぇです。
これいいわ!
ゴージャスな見た目
練習用にリビングに置いてあっても、インテリアとしてしっかり仕事してくれる見た目!
リビングでいつでも弾けるようにミニアンプとギターを一本おいてあるんだけど、もうそれだけでかなりかっこいい。
バンド仲間がきたときも。
あ、俺ギターはアン直だからさ
なんていいながら即座に弾けるこのスマートさ。
そしてそのスマートさを際立たせるアルパインホワイトとゴールドパーツの美しさよ。
絶対見えるところに置いたほうがいい一本です。
レスポールらしくない音
良くも悪くも、これはこの子の特徴だよね。
箱鳴りっていうかどのギターよりも圧倒的な生鳴り。
アタックが強くどことなく空気感を感じさせるトーンは、レスポールとは違う。
優しいトーンでリードやブルースなんかを弾くにはもってこいだよ。
あと相変わらずのB’z基準で悪いんだけど、最初の方で話したキャナリーイエローの松本さんレスポール。
ダイナソーツアーなんかで大活躍してたので、その当たりの音を狙ってる人にもいいんじゃないかな?
https://bz-vermillion.com/exhibition/details.html?id=1
このギターをおすすめできそうな人
と、いろいろ話してきたこのギター。
このこ初心者から中級者までどんな人にもおすすめだと思う。
価格帯が手頃だからこれから始める子がこの見た目を気に入ってるならいい。
それになんつっても軽いし頑丈だしで、扱いが雑でも壊れない。
普通のレスポールのようにブリッジが落ちたりしないので弦交換も楽。
ただ立て付けが微妙なので、購入時にはショップで弾いやすいようにメンテナンスしてもらった方が良い。
そうすればずっと使えるぐらいのクオリティはある。
そしてレスポールから新たなトーンや弾き心地を求める中級者にもオススメ。
高級感もあってかっこいいからステージ映えもするしね。
というわけで、今回はEpiphoneのレスポールカスタムライト(LesPaul Custom Lite)を紹介しました。
エピフォンのレスポールカスタムは知ってるけど、レスポールカスタムライトってなんなのにゃ?
なんか初級者向けの安いやつ?それにしては高い気がする
このギターについてよく知りたいにゃ!