一人前のギタリストになるには、ギブソンとかフェンダーUSAみたいな高いギターが必須だ!なんて息巻いたり悩んだりしていませんか?
もちろん高いギターにはそれなりの理由はあるのですが、別に高いから良いギターだとは限らないのです。
なぜなら高いギターは、単純にコストを下げることが出来ないだけだからです。
ここでは高いギターがなぜ高いのか、そしてなぜ高いギターをみんなが崇めるのか。
ちょうどいいバランスの価格帯はどれぐらいなのか。
そういった部分をお話していきます。
これを読み終えることで、自分にとって本当に高いギターが必要なのかどうかがわかります。
Contents
高いギターってやっぱり必要なの?
ギブソンやフェンダー、ポールリードスミスなど高いギターが軒を連ねる現代。
最近Twitterでは「本家と同じギターを使ってないとおかしい」なんてクソリプを見かけますが、高いギターって本当に必要なのでしょうか?
結論からいえば絶対に必要なもの!ということはないです。
ただ”ギターなんてどれも一緒なんだから”なんていう強引な結論は嫌いなので、まずは高いギターがなぜ高いのかをお話していきます。
高いギターほど古い設計を再現しようとしている
ギターが高い理由の一つとして、古いギターの設計を再現しようとしているという部分にあります。
ギタリストにとってエレキギターは、1960年前後に作られたレスポールやストラトキャスターあたりが神といわれ、崇められています。
これは出来が良いとかいうよりも、単純にその頃のギターがロック最盛期で演奏に使われる機会が多く、ギタリストにとって聞き慣れただけでしょう。
そして取り憑かれたように当時のものを求め、PAFという言葉がかかれたピックアップや配線材がー、とかいうわけです。
配線材に関しては、現代の配線材のほうがよほど精度がよいものが安く作られています。
それなのに昔のギターを再現するために、当時のギター制作に使われていたものを現在でも作っているわけです。
当時はラジオの配線とか一般的に使われていたので安く出回っていましたが、それをギターのためだけに作っているのです。
抵抗値も微妙でギター以外には使えないからギター専売品です。
木材だってそう。
当時たまたまマホガニーやエボニーという木材を使っていたから、それにこだわって使っているだけなのです。
現代技術が優れても建材が枯渇して首里城も再建も目処が立たないという時代。
そんな前時代的な古い設計を再現するためだけに配線材や木材を調達しているわけ。
汎用性もなければそれは高くなるのも当然です。
自由設計の家
ギターが高くなるもうひとつの理由はオーダーメイドです。
ESPなんかでギターをオーダーすると100万ぐらいするらしいです。
これは自由設計の家を建てるのと一緒ですね。
家であっても建売は割と安く買えます。
建売住宅は、住宅メーカーが展示会を開いて客寄せしたり建材メーカーの技術力を魅せたりと、実はとても良く作ってある、けど手頃に買えるもの。
対して自由設計は自分の思った通りに建てれるけど、いうほど住宅メーカーや建材メーカーの宣伝にはならないし、設計図も新しく書く必要があるのでコストも掛かる。
なのでお客さんからお金を多めにいただくわけですね。
ギターも同じで、吊るしのギターは展示にも使えるし、大量生産なのでメーカーのこだわりを踏まえつつもコストを抑えられます。
対してオーダーは、ユーザーの好きな形状、好きな木材、好きなピックアップ配列でつくります。
そりゃあ吊るしの大量生産とは違うので有名なギタリストとかじゃない限り宣伝効果はない。
利益も見込めないです。
となればオーダーしたお客さんからお金を取るしかないですよね。
そりゃオーダーメイドは高いです。
レクサスかトヨタかダイハツか
あとは一番見てわかる、ブランド力です。
ギターはヘッドのロゴから音が出るといわれるほどヒエラルキーがはっきりしてますね。
ギブソンなのかEpiphoneなのか、ESPなのかエドワーズなのか。
メーカーの戦略にのせられるようで悔しい話ですが、そこで見栄を張りたいかどうかでかけるお金が違ってきます。
これはいうなれば車と同じですね。
先にたとえでだした”レクサス、トヨタ、ダイハツ”は現在は全て同じ会社です。
メーカー間で共通の車種を扱ったりと、中身も一緒じゃない?といえるようなグループ。
ですが価格帯でいえば
- レクサスは700万前後
- トヨタは300万前後
- ダイハツは150万前後
と大きく価格差があります。
でも車として考えると、レクサスはタイヤがキャタピラで走破性がすごいということもありませんし、ダイハツだからタイヤはオプションということはない。
そう、車としての性能は大きく変わらないのです。
でもその中身を見ていくとエンジンの余力や乗り心地、安全性などが違います。
その付加価値的な部分を最低限に抑えて、運転できる最低限をおさえているのが軽自動車。
ある程度しっかり作り込んでいるのがトヨタ。
そこにお金もちが乗るという迫をつけたのがレクサスだったりします。
話が少しそれますが、実はレクサスのESはトヨタのカムリだしNXはRAV4だったりと共通のものをベースに高級に仕上げているだけだったりします。
ですが、お金持ちはレクサスというブランドを見てESやNXを買いたがります。
車の性能がしっかりしていればいいという人は、カムリやRAV4を買います。
そして車にそこまで興味のない人や「初めてだし、高い車はちょっと、、」という人はミライースやタフトを買うでしょう。
ギターもそんな感じ。
ある程度の価格帯までは必要十分な作りにするためにかかるコストがあります。
しかしそれをある程度超えると、それはブランド力を出すためのものだったりします。
そう、高いギターもってねぇとギタリストじゃねぇっていう人。
それは普通のドライバーに「レクサスじゃないと車じゃないんだよ(キリッ」っていってるようなもの。
一般社会では「こいつ馬鹿じゃね?」と思われるだけです。
まぁギターはトップブランドでも100万もしないものが多いので、ローンなどを組めば手軽に購入できるのがそういった情報を助長するんですよね。
レクサスもなんとかなる財力であれば買う人は多いのかもしれません。
というわけで高いギターっていうのは、よくわからないのに無理してまで手に入れる必要性はないのです。
もちろんこだわりがあって、「こいつじゃないとだめだ」って言うなら買うべきだとは思います。
いくらぐらいのギターが一番バランスがいいのか
高すぎるギターはギターとしての性能というより、古きを再現したり個人の願いを叶えたりと、その付加価値に重きをおいていることがおわかりいただけたと思います。
では一般的なギターは、どの価格帯がバランスが良いのか。
僕の結論からすると、10万~20万円ぐらいがちょうどいいと思っています。
安すぎるのは当たり外れがある
もちろん10万円以下のギターでもいいものはあります。
ただ低価格帯のものは、現物を見て買わないと大規模な調整が必要だったり、弦高が高すぎて弾けなかったりバリがひどくて怪我するなど、ひどい目にあう場合が多いのです。
1万円前後のギターはナットの高さや溝、ブリッジの仕上げが悪くて調整すらまともに出来ないものが出やすいですし、5万円前後のギターであっても物によってはそんな感じです。
僕の最近買ったEpiphoneのLPClite(実売5万円前後)も、フレットのバリやピックアップの立て付けが悪いなどいろいろ問題がありました。
これはショップに調整を出せばなんとかなるレベルだとは思いますが、ブリッジが調整できる範囲を超えている場合もありますので、運任せですね。
かといって2万円弱で買ったフォトジェニックのLPタイプは意外と普通に弾けました。
そう、当たり外れってけっこう出ますよ。
その点、10万円を超える価格帯であればその当たりはクリアしていて、安心して購入できる印象。
20万円ほどにもなればピックアップなどの電装品や付いている金属部品などの品質も良いので、出鼻をくじかれることはない。
それ以上となっても30万円を超える必要は無いんじゃないかな?
プレイアビリティ
やっぱり10~20万円ぐらいの価格帯のギターは弾きやすいです。
フレットや建付けなど仕上げもしっかりしていますし、ギターに不慣れでもショップの人に軽く調整してもらえば万全の状態になります。
それに30万も50万もするギターをライブで振り回すのは度胸がいりますが、この価格帯ぐらいなら傷も勲章だっていえるんじゃないでしょうか?
ギターは弾いてなんぼです。
お飾りやタンスの肥やしにするのではなく、遠慮せずどんどん前に出して弾いてあげられるのもこの価格帯のいいところ。
ヴィンテージモデルだからって、値上がりを期待していつまでも眠らせておくなんて、ギターが可愛そうです。
求める操作性
操作性がいいのもこの価格帯ですね。
多少プレイアビリティとかぶりますが、ネックが反りにくくなっていたりフレット処理もしっかりしてあったり基本動作は申し分なし。
それにロック式トレモロだってフロイドローズが採用されていたり、ペグもグローバータイプ。
ピックアップだって音像のはっきりしたクリアなものが使われているものが多いです。
無印の怪しいものではなく、操作性は段違いに良いのです。
逆にこれ以上のものを求めるとなると、自分の中ではっきりとした目的がないと無駄になりがち。
例えばヴィンテージライクな音がほしいとか、自分の好み全開のギターを作りたいとかね。
そうでないならやめたほうが無難です。
結局のところ音の要はアンプ
これいっちゃあ終わりな気もしますが、どんなに安いギターでも高いギターでも、結局アンプで大きく変わります。
人間だって音源である声帯はみんなほぼ一緒だよね。
女性と男性で長さ違うとかはここでは置いといて。
骨の広さとか響かせるポジション、のどの開きとかが違うから声が違って聞こえる。
それに同じような声でも話し方の一つで、男らしくもオネェのような印象も与えられる。
エレキギターもギター本体よりも、その音を増幅させるもののほうが影響力が大きい。
あとは弾き方のニュアンスとかで聞こえ方がぜんぜん違うもの。
というわけで近々ここで、実際に音を比べて動画でも作ろうと思います。
ギターは3種類
- ギブソンカスタムショップのTAKDC
- EpiphoneジャパンのLPS
- SCHECTERのヘルレイザー
アンプは2種類
- ヒュースアンドケトナー
- オレンジクラッシュミニ
で動画で比較してみようと思います。
乞うご期待。
というわけで、結論。
- ほしいわけでもないのに無理して意味の分からない高いギター買う必要はなし!
- 予算に余裕があるのなら、10万円から20万円程度のギターが一番安定している!
そしてもちろん10万以下のギターも悪くないです。
けどメーカーによっては無理してる価格帯なので、当たり外れが出る可能性高いので注意。
というわけで「ギブソンとかPRS持ってなきゃ一人前じゃない」とかは「レクサスのり以外はドライバーじゃない」みたいなくだらない話なので、聞く必要はないです。
自分の予算で気に入ったギターを買いましょう!
エレキギターって高いものってやっぱり買った方がいいの?
ギブソンとか50万近くするし、ESP中だと100万円ぐらいするギターだってあるじゃん?
でもフォトジェニックとか1万円ぐらいで弾けるギターもあるじゃん?
正直音の違いなんてそんなに分かんないし、高いギターって必要なの?