エレキギターを気持ちよくかき鳴らそうとアンプに繋いだらなるあのジーっという音。
本当に困りますよね。
そのままでも気になるのに、歪ませればハウリングが起こって演奏に支障が出ます。
今回はそんな事象を根本のエレキギターから解消する方法です。
というのも僕の持つギブソンカスタムショップ製のTAKDC。
レスポールカスタム風のデザインとダブルカッタウェイのプレイアビリティの良さから、メインギターとして使っています。
GIBSON TAK DC CUSTOM EBONYのレビュー[リッチライト指板です]
そんな彼にはノイズが酷いという問題があり、アンプに繋いで歪ませるとノイズが乗りまくりでげんなり。
そこで今回はそのノイズの大本であるエレキギター本体の対策を行ったお話です。
これを見てあなたのギターのノイズも解消できる手立てが見つかれば幸いです。
Contents
エレキギターのノイズの原因を検証
まずはギターのサーキットを開いて、ノイズの原因となりうる部分を検証していきます。
エレキギターは電気信号を発生させてアンプで増幅させて音を出す楽器ですから、ノイズはギターのサーキット周辺から発生すると考えて良いです。
そこでまずはサーキットを開いて以下の事項を確認します。
- サーキットのチェック
- 弦アースのチェック
- トグルスイッチ
サーキットのチェック
まずはノイズの原因を探るためにサーキットのチェックです。
裏返しにしてキャビンの蓋をねじを一本づつはずして取りはずします。
見たところ断線などもなく、アース処理が悪いということもないのでサーキットには問題なさそう。
ついでにその他の部分のチェックもしたいので、サーキットからコテを使ってピックアップの配線をはずしてボディからピックアップを取ります。
トグルスイッチは配線を切って独立させ、ポットも含めて全ての電装品は外されました。
見てわかりますが、キャビティの中に全く電導塗料が塗られていません。
最近は10万円台のギターにもキャビの中に申し訳程度に塗ってあるものですが、このギターには一切塗られておらず、ボディの塗料そのままです。
これはノイズの原因と考えて良いでしょう。
昔ながらの製法を重んじるギターは、電導塗料を塗ることで高音域が削られる原因にもなるので塗らない場合もありますから、注意してください。
弦アース
次は弦アースがつながっているかどうか確認します。
通常であれば弦に触るとノイズが減ることから弦アースと言われるのですが、じつはこのギターは弦を触ってもあまりノイズが減りません。
つまりもしかしたら弦アースが取れていない可能性があるのです。
もし断線していた場合、ブリッジのアンカーを抜くという悲劇的な仕事が待っています。
・・・それだけは嫌だ!
とりあえず通電してるかどうかを確認できればいいのでチェッカーを使います。
ここで登場するのが、車の配線チェックで使う通電チェッカーです。
車用なので通常は、12Vで光るんですが9Vでもいけます。
なのでエフェクター用のバッテリーを使ってバッテリーの電極の片方をつまませ、もう片方をアース線とテープで固定してアンカーにチェッカーを当てます。
するとご覧のように光りました。
つまり弦アース通電確認です!
というわけでアンカーを抜く作業は必要なさそうです。
トグルスイッチ
目視と検査でノイズの原因はだいたい特定できましたが、その他に原因になりそうなものはないかネット上でも調べてみます。
するとGibsonTAKDCはトグルスイッチの質が悪く、ここからノイズや音切れなどが起こりやすいという話をみつけました。
ノイズに直接関係はあるかはわかりません。
ただ購入当初からピックアップセレクターを使った際に音が途切れる問題は起こっていました。
というわけでトグルスイッチも不良品として要交換にします。
ノイズ対策に塗料を塗っていきます
では検証の結果、エレキギターのノイズ対策として2つの対策を施工します。
- トグルスイッチの修理
- キャビ内に電導塗料を塗布してノイズ対策
では詳しく見ていきます。
トグルスイッチの修理
トグルスイッチは交換の予定でしたが、修理になりました。
TAKDCはボディの薄さから、通常のトグルスイッチではなくショートタイプのスイッチを使っているとのこと。
すぐに手に入りそうになかったのです。
というわけで交換の予定が急遽トグルスイッチの修理になりました。
スイッチ自体は2つのネジで固定されているだけなので、ネジを外してばらしていきます。
すると魚の3枚おろしのようにばらばらになったものから、ついていたハンダを溶かして剥がしてこすって磨いて、きれいにします。
夢中だったので画像は取れませんでしたが、できるだけきれいにしましょう。
あとは接触部分を軽くパーツクリーナを塗布した布で拭き掃除して、組み直していきます。
はい、元通り!
多少スイッチを精密ドライバーのマイナスなどで接点を起こすように修正しておくと音が途切れる原因を解消できます。
ただこれはかなり細かい作業になるので、難しかったら部品を買って交換したほうが間違いありません。
キャビ内に電導塗料を塗布してノイズ対策
サーキット類はすでに全部分解してありますから、電導塗料でキャビン内をコーティングします。
行うことは3点です。
- ギター内のザグリ部分(トグルスイッチ部やピックアップ裏にも)電導塗料を塗る
- アンカービスで、それぞれにアースを落とす
- キャビ裏のプラスチックの蓋にもアルミテープを施工してシールド処理
これで外部からのノイズ対策になります。
というわけで電導塗料の塗布をしていくわけですが、ここでの問題が発生。
まずひとつ目にマスキングテープがありません。
普通であればマスキングテープでボディを保護するのですが、ありませんからミス一つで塗料がボディにつきます。
まぁ慎重にやってはみ出さないようにするということで僕はあきらめましたが、きれいに収めたい人は用意しましょう。
そしてこの塗料、蓋が硬くて開きません。
特殊な方法で開けるのかと思って調べたけどもちろん開け方なんて書いてありません。
そして蓋の開け方についていろいろ調べてるうちに、さらなる衝撃の事実が。
実は今回つかうノイズヘルって塗料には種類があったのです。
- sp-d-01ポリウレタン用
- sp-d-02ラッカー用
- sp-d-03ハイシールド
ちなみに僕が買ったやつはsp-d-01。
あれ?ラッカー用じゃない?てか塗装に合わせた塗料だったんだ!
ただ時すでに遅し。買っちゃったしバラしちゃったけど、、
「まぁ塗っちゃえば一緒だろう」
O型の性格というのはそんなもんなのでいいですが、これから対策される方は注意してください。
一応リンク載せときます。
ポリ塗装用
ラッカー塗装用
ハイシールド用
塗っていくにあたって準備として、セロハンテープでフロント側からポットの穴を埋めます。
これでポットの穴から表へはみ出すのを防ぎますので、最低限これだけはしておきましょう。
そうしたらボディへはみ出さないように、最新の注意をはらって塗っていきます。
あ、筆などはついてませんから100均などで別途用意してくださいね。
塗ったところが灰色というか微妙に色が違うのがわかります?
見た感じ多分はみ出しはなかったと思います。
電導塗料を塗ったら、次はこれらを配線でつないでノイズをアースに落としてあげます。
ただ、トグルスイッチのある小さい穴はトグルスイッチが塗装面に接触してるからアースは問題ありません。
サーキット部はポットが塗装面に接触してるからアースは問題ありません。
ピックアップのザグリ部分はどことも接触してないから配線が必要です。
というわけでピックアップのザグリにアースを落とすために配線をします。
じゃまにならない程度の導線を、それぞれのザグリの部分にネジ止めしていきます。
こんな感じで埋め込みました。
ちょっと見にくいけどネジでアース線をつないでるのがわかるかな?
赤色の線の先はポットへはんだ付けをしてアースを落とします。
サーキット部分はレスポールとほとんど変わらないので、通常通りの配線処理をしていきます。
befor
after
キャビ内の色が微妙に違うのがわかっていただけるでしょうか。
これで電動塗料の塗布とアースまでが完了です。
最後にキャビンを締める蓋にアルミ箔を貼ってアース処理をします。
やることは蓋の裏に両面テープを貼ってそれに合わせてアルミ箔を貼り、蓋の形に合わせてアルミ箔を切っていきます。
これにてノイズ対策は完了!
ノイズはどうなったのか
弦の張替えも含め一通り作業が完了し、せっかくなので試しに音を出してみます。
するといままで”ジーッ”と真夏のセミのように泣いていたギターのノイズ。
弦に触るとすっかり消えました。
多少時間とお金は多少かかったけど、これから長く付き合いをしていくギターです。
最前を尽くしてあげたい、というわけでTAKDCのノイズ処理作戦完遂しました。
エピフォンやシェクターのような10万円ほどのエレキギターでさえしっかりとノイズ処理されている現代。
それがエレキギターの大御所のgibson。
それも定価50万円もするカスタムショップ製の一級品ですよ。
それがトグルスイッチ切り替えで音が出なくなるわノイズ処理はされてないわって、さすがに作りがひどい。
いろいろと納得できないところが多いです。
ただギブソンというものはそういった部分も含めて愛してあげる必要があるのかもしれません。
エレキギターをアンプに繋げるとジーっていうノイズが酷いにゃ。
ハムバッカータイプのギターはノイズに強いはずなのにハウリングしまくって使い物にならにゃい。
どうにかならにゃいかしら。