音を揺らすモジュレーション系のエフェクターで、あまり良くわからずに使っていてもそれなりの効果が感じられるので、じつは使い方がよくわかってないということもあります。
そういった知識部分を埋めていきましょう。
僕もB’z好きで通っている人間ですから、このコーラスとは切っても切れない関係にあります。
控えめにしすぎると全く効果が感じられませんし、強めにかけてみると急にグワングワンするなど、意外に使い方にくせのあるエフェクターです。
今回はコーラスの種類や仕組み、そして実際のセッティング例などをご紹介していきます。
Contents
コーラスは実は偶然の産物だった!

ギターエフェクターのコーラスですが、前回のコンプレッサーに比べるとそれほど馴染みのない人もいるのかな。
しかしコーラスはコンプレッサーのような音を調整するエフェクトとは違い、積極的に変化を見せてくれるエフェクターです。
ギターを初めてからある程度の人は一度は通る道ではないでしょうか。
ちなみにB’zの松本さんは歪んだトーンにも積極的にコーラスを入れており、B’zの楽曲を演奏するには外せないエフェクターの一つになっています。
クリーントーンや歪みを問わず、楽曲の中でよく耳にする広がりや厚みを表現してくれるトーンは印象的ですね。
コーラスの効果を説明するなら同じ音を重ねて二人以上で弾いているような音を表現しています。
実はこれ、エフェクターを使わずにギターで表現する事もできるのです。
試しに2弦の5フレットと1弦の開放を同時に弾いてみてください。
同じ音程ながら絶対に少しはズレが生じます。
まるで二人でギターを弾いているような音の重なりが感じられますね。
それです!(無理やりとか言わないで
これを構造的にはショートディレイを使い、ディレイタイムを微妙にずらして少し遅れた音と原音を混ぜることで音をダブリングさせる効果を出しています。
クリーントーンなどでよく使われ、特にアルペジオのような単音を響かせるような演奏の時、何本もギターを重ねているかのように表現し、まるでオーケストラのような雰囲気を出します。
うん、言い過ぎだね。
まぁ手軽に音圧が上がったような音になるので、ギター一本で寂しい演奏もとてもゴージャスなものになります。
なので僕の場合アルペジオにはだいたいかけます。
ちなみにコーラスには大きく2種類あります。
アナログコーラス
一つはこのアナログコーラス。
もちろんこのエフェクトの始まりはこの構造からなんですよね。
そもそもは仕組みはイマイチよくわからないけど、BBDっていう回路で残響音を残したエフェクトらしい。
ただあまりきれいに残る音じゃないのでディレイのようには使えない。
そこでなにかにうまく使えないかということで、ここにモジュレーションで揺れ幅を作ってだしたのがアナログコーラスなのです。
まぁ構造なんてそんなに気にしなくていい。
音質的にはハイが落ちやすく、耳に優しい音響が特徴です。
アナログコーラスといえば安価なのに意外と良い音がするとアリオンのコーラスを昔持ってましたね。

こんなの。
ただ気がついたらなくなってました。
デジタルコーラス
このアナログコーラスの動きをデジタルで再現したのが、このデジタルコーラスです。
デジタルコーラスはディレイなどデジタルで作っていることもあり音質の劣化はほとんどありません。
そのためハイの抜けもよくとてもきれいなコーラスがかかります。
もちろんどっちが良いってわけじゃないです。
ミッドの強いアナログな音もいいですし、カチッと決まるデジタルコーラスもきれいです。
曲に合わせてチョイスしてみてください。
コーラスの設定

さて、そんなコーラスですが、調整つまみに書いてあるのはやはり難解なワードです。
rate?
delay?
どれだけ調整するの?
コンパクトエフェクターの場合はある程度固定値を決めて個性を出しているので、このエフェクター使っときゃあ
好きな音になるぜ!なんてことはあります。しかしマルチエフェクターは意外とそんな細かいところまで調整できます。
はっきり言って面倒です。色々出来すぎてよくわからん。
とりあえずまずはつまみを見ていきましょうか。
RATE
まずはこのRATE。
言葉通りどれだけ遅らせるかっていうつまみなんですが、この数値があまり早すぎるとなんかショワショワした音になります。
コーラスはダブリング効果を引き出すためにディレイ音を重ねているのですが、実は内部では周期的にディレイタイムをずらしているのです。
そのずれる速さを早めるか遅めるかで原音と重ねたときの雰囲気が違うんですね。
その音を揺らす速さの部分なので使い方によりますが、ある程度自然に感じられるところで止めておいたほうが良いでしょう。
ただ曲調や雰囲気など、効果を狙うときはそういうのもありかもしれないですね。
DEPTH
コーラスの音に深みを出します。
ただ深みなんて言われてもさっぱりわかりませんよね。
これは一回に揺れる揺れ幅を調整します。
この揺れ幅が大きいほど音程の動きが音の中に見られコーラス音に変化が出てきます。
値が小さいほど原音と変わらない自然な音色が重なりますし、大きくなるにつれて音程のズレが大きくなり、なんかノスタルジックになります。
エフェクトLEVEL
これはもう読んで字のごとくです。
原音に対してエフェクト音をどれだけ混ぜるかを調整していきます。
マックスでかけておけばダブリング効果が抜群に発揮されますし、弱めにすればリードとバッキングのように自分の音がしっかりと聞こえるようになります。
ただ僕的には5割ぐらいが適切です。
これも演奏のタイミングや場面によって調整していきましょう。
PRE-DELAY
基本コンパクトエフェクターにはほとんどついていませんが、コーラスの効果音のズレるタイミングを手動で調整できるものもあります。
速ければコーラス効果はほとんど感じられませんし、遅くすれば不自然なくらいに音がずれます。

おい、ずれてるぞ!
曲調に合わせてコーラスを調整したい人には有効なパラメータとなるでしょう。
コーラスの使い方

コーラスのつまみによる変化の出し方がわかってきましたね。
では実践でどんなふうに使っていけばいいか、どうセッティングすれば良いのかをご紹介します。
アルペジオを幻想的に
アルペジオなどちょっと音に厚みがほしい場合はこういうのがあります。
RATEを10時ぐらいにあわせてDEPTHは15時ぐらいに、エフェクトレベルは12時ぐらいをベースに適時調整しましょう。
そうするとギターを何本も重ねたようなコーラスらしい音が作れます。
ある意味僕の中の万能セッティングで、アルペジオからカッティングまで様々にこなすことのできるのです。
コーラスの使い方としては定番の音使いでしょう。
さらにコーラスの前にオクターバーなどをかませればさらに音数が増え、とても幻想的な音使いになります。
わかりやすいのがB’zのTIMEのイントロ。
とてもきれいな音色ですよね。
ソロ向きのセッティング
逆にRATEを15時ぐらいにして、DEPTHを10時ぐらいにセッティング。
そして音量は12時ぐらいにすると、まるでロータリースピーカを使ったオルガンのような味のある渋いコーラスが生まれます。
これはクリーンだけでなく、歪んだ音でもその個性を出すことのできる個性的なソロ向けのセッティングです。
僕的にB’zのsurviveって曲のイントロをイメージした音です。
効果音的な使い方。
とても印象的なコーラスの音といえばスメルズ・ライク・ティーン・スピリット!
このAメロ出てくるバッキングの”チャラーン、、”て音。
なんか2音しかなってないのに妙に引き込まれる音ですよね。
これもコーラスによる仕事です。
RATEは比較的速めの13時ぐらい、DEPTH12時ぐらいにセッティングすることで不思議な効果を体感できます。
まぁ聞いてくださいよ。
まあ曲もいいのは当然ですが、彼のイケメン度はコーラスの効果も倍増させてしまいますよ。
ウ・ラ・ヤ・マ・シ・ィ
雅な雰囲気が出るエフェクト

一言でコーラスと言ってもアンサンブルのような効果からソロを強調する効果まで。
さらには世界的に有名な曲では特殊効果を狙った使い方まで地味に活躍するエフェクターです。
もちろん使い方はそれぞれですがいままで空間系は苦手だと言ってあまり手を出してこなかった人も、ちょっと試してみてはどうでしょう?
ここで紹介した使い方はあくまで基本的な操作法です。
自分だけのギターサウンドを目指して色々研究してみてね!
コーラスってエフェクターを使ってるんだけど、なんかとんでもない音になっちゃう。
それなりの音になるようなセッティングとか、効果的な使い方を教えてほしいにゃ。