ギターの出音を安定させるためにマルチエフェクターとパワーアンプの組み合わせを考えたんだけど、パワーアンプって思った通りのものってない。
ボードに入れるには大きすぎたり、小さいものだと出力も微妙でライブ向きじゃなかったり。
良いものないかな?
アンプシミュレーターが一般化してきた現代。
せっかく頑張って音作りしても、癖のあるアンプで音を出してしまってはシミュレーターも意味がありません。
となればパワーアンプも自前のものを用意してしまえばよいのです。
ただそれを別に持ち歩くのは大変ですしエフェクターボードに収まるようなちょうどよいサイズって意外と見つかりません。
ではないのであれば作ってしまえばよいのです。
実は僕は自作パワーアンプを作って運用しています。
パワーアンプをエフェクターボードの中に埋め込んで、スピーカーケーブル経由でキャビネットに接続するスタイルになっています。
現在も問題なく作動していますので、その作り方をここに載せていきます。
Contents
パワーアンプに必要なものを準備する
まずですが、本来であればパワーアンプは買ってしまったほうが楽です。
いくつかパワーアンプとして使えるものを先に紹介しておきます。
安いものでは1万円ほどからあり、ムーアなどに代表される30W程度のものがあります。
30Wあればキャビにマイキングして行うライブであれば、十分な容量です。
でもマーシャルの100Wキャビをビンビンに鳴らそうと思うと、もうちょっと出力はほしいところ。
価格帯の高いものであれば出力は十分ですが、図体は大きいのでボードに入りません。
これでは僕にとって大事な機動性には適しませんし、10万円は高すぎです。
というわけでいくつかパワーアンプを紹介しましたが、まだ自作するつもりはありますか?
それでは必要なものを集めていきましょう。
今回パワーアンプを自作するとして、僕が用意したものはこちらです。
- アンプボード
- ケース
- 電源アダプター
- ジャック
- スイッチ
- スペーサー
では一つずつ説明していきます。
アンプボード
パワーアンプを作るにあたって調べてみると、どうやらパワーアンプ用に配線されたボードがamazonに売っているようです。
というわけで早速amazonに侵入し「パワーアンプ 基盤」で検索。
するとたくさんの種類のパワーアンプのボードが出てきます。
ライブで使うことを想定すると半端な出力では無駄ですので、下記の条件のものを探していきます。
- モノラル出力
- 出力が100w前後
- 失敗しても良いように安いもの
という条件で調べてみるとこんなのがありました。
僕はこれを買ったわけですが、一回目はチップが剥がれていて不良品でした。
開封した直後からやけにヒートシンクがグラグラしててこれは仕様なのかな?と思ってとりあえず動作確認したけど、音がなりませんでした。
というわけでこいつは返品。
新しいボードを購入し、届くと同時に配線してテストします。
動作確認のために必要なのが、シールドの接続口が2つとDCジャックが一つ。
実は僕の手元にアンプボード以外の部品がなかったので、これらを取り出すためにエフェクターを一つぶっ壊しました。
もしその他の部品を揃えるのが面倒、よくわからないという場合はこういう方法もありです。
電源は100W近い出力ということもあり、ノートパソコンで使っている19V-5Aのアダプターを利用。
マルチエフェクターのGT-1000とBOGNERキャビに接続して、動作確認するとばっちり音がなりました!
動作確認完了。
この状況から僕から言えることは唯一つ。
こういった商品は、届いたらまず動作確認をしましょう。
ケース
基盤丸出しのアンプというのもある意味ロックでカッコいいですが、損傷の危険や持ち運びを考えると不便です。
ケースは絶対に用意したほうが良いです。
ケースに関しては基本的にボードやジャックが収まるなら何でも良いですが、注意してほしいのは放熱性です。
はじめ、マーシャルのミニアンプの壊れたものを再利用してプラスチック製のケースを用意したのですが、これがだめでした。
1年ほどは使用に問題ありませんでしたが、ライブのリハの最中に突然ノイズが大きくなり始め、そのまま直らなくなったのです。
おそらく原因は、狭いプラスチック製のケースだったので内部で熱がこもり、チップが損傷したのではないかと見ています。
ですから熱を放熱しやすい鉄製やフィンなどでできるだけ放熱しやすい環境の整ったケースをおすすめします。
現在は鉄製のお菓子の缶を再利用しています。
AC/DCアダプター
動作確認でもお話したとおり、パワーアンプは意外に電力消費が大きいので電源ユニットは重要です。
今回選んだアンプボードは、20Vの電圧で約100Wの出力が可能とのことなので、19Vで5Aまで対応できるノートパソコンの電源をつかうことにしました。
僕の場合たまたま実家でぶっ壊れて使っていないノートパソコンがあったのでラッキーでした。
通常であれば電気屋さんで新品を購入、もしくはハードオフなどのジャンクコーナーから見つけるといいですね。
新品であればこのあたりがおすすめです。
その他にもプリアンプやキャビと接続するジャック、電源アダプターと接続するジャックが必要です。
ケースに固定するなど汎用的な使い方を考えると、新品を楽天などで探しましょう。
モノラルジャック
エフェクター側のシールドと、アンプ側に接続するケーブル用のジャックが必要ですね。
とりあえずは送料無料なのでコレおすすめです。
入り口と出口で2ついります。
そしてシールドだけでなく電源接続用のジャックも必要です。
たくさん入ってても使い道ないですが、一つ売りなんて送料が無駄なのでとりあえずこれ買いました。
これならケースに穴を開ければ固定することもできるから便利です。
電源スイッチ
パワーアンプは意外に大きな電流が流れますから、比較的大きな容量に耐えられるトグルスイッチを装着します。
今回のことで考えると出力100Wで19Vってことですから、最大5A近い電流が流れるということなので6Aまで耐えられるスイッチを取り付けします。
ちなみにこれは近くのホームセンターで買いました。
送料もったいなかったんです。
基盤を固定するためのスペーサーやネジ
ケースに基盤を固定するために、スペーサーやそれに対応したネジが必要です。
それらも準備しましょう。
パソコン自作したことがある人ならそれで十分です。
金属製のケースであってもパソコンのボードを固定するスペーサーは電気を通さない素材で作られていますから、安心して使えるでしょう。
配線してケースの中に収納します
では上記で揃えた部品たちを使って組み立てていきましょう。
実はそれほど難しいことはありません。
ボードにボリュームノブをとりつけ
*注意
このミニ可変抵抗ってのは、丁度いい抵抗が存在しないときに絶妙なところで止めておくもので、基本的に動かすものではありません。
なので一応今の所問題は出ていませんが、この項目は無視していただいたほうが良いかもしれません。
このパワーアンプボードには回路上にちっちゃい可変ボリュームが付いています。
なのでパワーアンプ側で調整するにはバラす必要があるし、可変抵抗を動かすために工具も必要。
そのため気軽に音量を変えることは不可能でした。
なので音量調整はエフェクターのアウトプットでのみです。
しかしそれもおもしろくないのでパワーアンプにボリュームポッドをつけることにしました。
なので到着して早速だけどこのボリュームを外してしまいます。
この黄色い丸の部分を外します。
こんな感じです。ハンダを剥がすときはやけどや、ボードの焦げに注意しましょう。
ボードは熱に弱いですから、外すときには最新の注意が必要ですよ。
そしてここに可変抵抗をつけるわけですが、ここは同じ容量の10kΩのポッドをつけます。
はい、画像忘れました( ´゚д゚`)アチャー
まぁただのはんだ付けですから、さきほどの場所にはんだ付けしてください。
配線はホームセンターに売ってた0.5sqのケーブルを使いました。
ケースに絶縁処理します
次にケースを加工していきます。
まずは鉄製のケースにドリルのようなもので穴を開けます。
僕は車の内装などをいじるのに使っているドリルがあったので、これで代用しました。
インとアウトのジャック、スイッチ、電源、ボリュームと計5つの穴が必要です。
ジャックが6.35mm、DCコネクターが5.5mm、トグルスイッチが5.5mmでいけました。
穴を開け終わったら必要なのが絶縁処理です。
金属ケースを使用するとき、アウトプットが本体に直接触れてショートすると音が出ません。
何故かは知りませんが音が出なくなるのです。
そこで絶縁テープを使って、ケースに直接触れることがないように処理します。
すでに完成図です。
左がアウトプットになるのですが、ジャックの周りに黒いテープが張ってあるのがおわかりいただけると思います。
僕の場合はこういうふうに絶縁処理を施しました。
ボードの指定通り配線します
ここまで準備ができたら、後はボードに配線していくだけです。
- 電源
- インプット
- アウトプット
これらをボードに書いてある通りに配線して接続していきましょう。
ボード上にはちゃんと電源の場所やin/outなどなど親切にボード上に書いてあります。
ボード上ではネジ止めのようになるのではんだ付けもいりませんでした。
先に差し込みのジャックや電源装置など、ハンダが必要な部分を組み上げてからボードに取り付けていけば、ラクラクにいけます。
あとはこのようにケースに収めて完成です。
ケースの中もギッチギチですが、ひとまず完成形です!
最初にお話したとおりでパワーアンプは案外いい値段しますが、DIYで作ることによって総製作費約5,000円で完成します。
驚異のコストパフォーマンス!
パワーアンプは4Ω接続で90W、8Ω接続で60Wの出力
最終的にこのパワーアンプのスペックは、
- 4Ω接続で90W
- 8Ω接続で45W
- 外部電源は19V-5A
こういった形の代物になります。
こんな小さなボディで何倍もの大きさのあるキャビを最大90wもの出力でビンビン鳴らすんですから、現代の技術ってすごいです。
これを使えばギターからマルチエフェクターそしてパワーアンプまで、サウンドシステムとして常に同じ状態を保てます。
そしてキャビネットはどこのスタジオにもあるようなマーシャルを想定していれば、常に同じような環境で音を出すことができるのです。
つまりスタジオで作った音がそのままライブでも出力することが可能という、ギタリストにとっては夢のようなシステムですね。
気になる人は是非試してみてください。
はじめまして、このブログをみてパワーアンプを自作しようと思いたち、素人ながらチャレンジしております。
不躾ながら質問させてください。
同じ最大出力150wのパワーアンプボードを買ったものの、出力インピーダンスの表記がないのですが、
4Ω接続で90w接続というのはどうわかるんでしょうか?
そのままキャビの4Ωにつなげて大丈夫なのでしょうか?
こんにちは。コメントありがとうございます。
返信遅くなりすいません。
こちらのボードにはTPA3116D2というチップセットが搭載されています。
それに関してamazonでは詳細がありませんが、こちらのページには詳しく乗っています。
このボードは50W×2をモノラル出力で使っているボードで、そのまま解釈するならば4Ωのとき21Vで100W出力となっています。
なので基本的には4Ωキャビネットを使っても問題ありません。
もちろん出力するときは、お使いになる電源ユニットの電力にも依存します。
僕の場合は、19V-5Aの電源で4Ωキャビネットで使用していますが、今のとこ問題はないです。
参考になりましたでしょうか?
ご丁寧にありがとうございます。
このブログのおかげで、自作するという新しい楽しみを見つけられました!感謝しております!
それはよかったです!
今後とも宜しくお願いします。