楽譜が読めるようになってギターをある程度弾けるようになった時、急にそれまで気にしていなかったリズムというものにぶち当たります。
今回はそんなあなたのために、リズム強化プログラムを用意しました。
特にギタリストは手先の方ばかり集中しがちでリズムをおろそかにしがち。
バンドで合わせても自分だけ速くなったりもたってしまったりと、リズムの悩みはつきません。
とくに重要だったのがリズムを感じること、つまりリズム感です。
今回はリズム感を養うためのプログラムをご紹介していきます。
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プロの演奏はソロを弾いていてもグルーヴィ
プロの演奏がかっこいいのは、ドラムが作り出すリズムを元に演奏者のリズム感が重なってグルーブが出ているから。
実はスケール外の音で調子が外れていたり単音だけのシンプルなリフでも、リズムがカッチりしているからこそ演奏はかっこ良くなります。
僕自信常々感じていたのが、オリジナル楽曲などでドラムのリズムに合わせると自分のテンポが非常に不安定になることです。
これは自分の感覚だけでギターを弾いている、もしくはドラムに合わせてギターを弾いているとこんな感覚に陥ります。
いうなれば自分の中でリズムができていないということは、音ゲーで落ちてくるバーを狙うような感覚です。
かなり不安定な演奏になるのが予想できるのではないでしょうか。
そこで必要なのがドラムに合わせる演奏ではなく、自分の中でリズムの循環を作り出すことです。
そしてドラムが作り出すリズムのパルスを感じながら自分の中のリズムを循環させて演奏することで、機械的な演奏ではなくグルーブというものが生まれてきます。
リズムの基本はオルタネイトピッキング
リズムがかっちりさせるためにギタリストが必ず習得しなくてはならないものは、オルタネイトピッキング。
オルタネイトピッキングは、腕の上下運動を規則的に行います。
メリットは、弦に当てるだけでなく休符や音符の長さに合わせて空ピッキングを取り入れながら弾く。
そうすることで一定のリズムを刻めるので複雑なリズムにも対応しやすくなります。
例えば次の楽譜を弾くとしましょう。
これはダウンピッキングで8部音符の頭、アップピッキングで8部の裏を弾きます。
上下でずっと引き続けるだけですからすぐにできそうです。
では次はどうでしょう。
この場合は4部音符の裏はアップピッキングで、3拍目のシンコペーションはダウンピッキングの素振りします。
オルタネイトだからといって4部音符の次の音でアップピッキングを取るのはちがいますよ。
ちょっと意味合いが違うっていうか、むしろ余計に難しいです。
コードをジャカジャカと弾いてるだけですが、こうやって弾いているととてもロックな感じがしてきます。
調子が良い人はオルタネイトピッキング(コードストローク)の練習しながら、鼻歌でも歌いながらもいいかもしれませんね。
ただ我の強いギタリスト諸君の中にはこんな人もいるでしょう。
僕の好きなアーティストはオルタネイトなんかしなくてもかっこいいんだにゃ!
模範的な演奏なんてくそくらえ、ロックじゃねぇにゃ!
気持ちはわかります。
ただそのアーティストは本当に不規則なストロークしかしないのでしょうか?
ライブではパフォーマンスのためにやってるのかもしれません。
もしかするとあえてそこで不安なニュアンスを出すためにやってるのかもしれません。
できる人があえてオルタネイトを外しての演奏は良いです。
できない人がそれを無意味にやっても、ただ下手なだけ。
かっこいいとしてもリズムを整えたいのであれば不規則なストロークは一旦忘れましょう
リズムを意識するためにはメトロノームの練習と裏拍
次にするのはメトロノームを使ったグルーブの練習です。
メトロノームは80ぐらいにセットして、4つ打ちの設定にしてください。
まずは2拍目で膝を叩いてみましょう。ドラムで言えばスネアのポイントです。
これぐらいなら全然行けると思います。
では次にリズムのエッセンスを歌ってみましょう。
文言は何でもいいです。
例えば1&2&3&4&(わん、えん、つー、えん・・・)にしましょう。
ついでコードの構成音である”root、3rd、5th、7th”をベースラインのように歌いつつ、先程のリズムを叩きながらやります。
まずは4ビートでやってみます。
画像にある通り、ワン、エン、ツーエン、と口ずさみながら☆を書いてある2拍目と4拍目で膝をたたきましょう。
できましたか?
ある程度なれてきたのであれば、次は8ビートでやってみましょう。
ロックなリズムです。
これができたら最後に16ビートです。
速いので若干言いにくいですから、楽譜にもスペースがなかったのでタカタカと書きましたが、それでもいいと思います。
ここまでできたのであれば、これらの練習を4ビート/8ビート/16ビート/3連/シャッフルの5つのパターンでやってみましょう。
重要なのは裏拍を感じながら、ベースラインを歌えることです。
膝を叩くスネアパターンでドラムのパルスを感じつつ、ベースラインでリズムラインを歌うことで、グルーブを出すことができます。
これをしばらくやっていくうちに体にリズムが染み付いてきますよ。
左足でリズムを取りながら弾く練習をしよう
さて裏拍でリズムを取りながら歌う練習はできたでしょうか。
では次は実際にギターでやってみましょう。
今まで膝を叩いてとっていた裏拍は左足の踵で、フレーズはギターで弾きます。
はじめは難しければコードのストロークでも良いですが、弾けるようになってきたら先程のroot、3rd、5th、7thをかっこよく弾いてみましょう。
とてもブルージーでかっこいい感じに聞こえてきます。
とはいいつつも、はじめは左足が全然リズム取れないし上の手も全然うまく行かないでしょう。
これはしょうがありません。神経回路がつながっていないからです。
解決するためには、とにかくひたすらゆっくりやっていくだけです。
そうして続けていくことで体がこの演奏に慣れ、できるようになります。
この練習をしっかりした暁には、ドラムからのパルスを感じつつ、自分のリズムを作り出し、とてもグルーヴィーな演奏が待っています。
最近の楽曲は16ビートの複雑なリズムが非常に多く、はじめからリズムを適当に弾いてしまうため演奏がとても不安定になりがちです。
ただ弾いてるだけというような状況から抜け出すためにも、頭の中でリズムが流れるまでしっかりと練習しましょう。
人間の神経はそう簡単に繋がりません。毎日継続しつつじっくりと時間をかけて習慣づけていけば、必ずその先にグルーヴィな演奏が待っています。
シンプルだけどかっこいい王道曲!
とはいえ最近の楽曲は複雑な音使いと16ビートのリズムの速いものが多いですから、シンプルなリフでかっこいい音楽といってもピンときにくいですね。
では僕がシンプルな音使いでもリズムがかっちりしてかっこいいなと思う曲をいくつかピックアップしていきます。
I Love Rock’Roll
もはやロックの王道といった曲ですね。
原曲の方ではないですがリフはほぼ一緒なのと、ハスキーなジョンジェットの声で好きなのでこちらを紹介です。
ロックなビートに合わせてパワーコードを鳴らすだけというとてもシンプルなリフですが、ロックの王道らしい壮大さを感じさせます。
Smells like teen spirit
ニルヴァーナの地位を確固たるものにした1曲です。
こちらも音使いはシンプルながらもリズムの変化と音の厚みで迫力の展開を見せます。
これほどリズムの重要さを感じさせてくれる曲はないのじゃないでしょうか。
People Of The Sun
終始このリフがなり続けるという凄まじい一曲ですね。
エフェクターかと思いきや6角レンチをこすりつけて独特な音の変化で作り出されたリフのゴリ押し楽曲です。
不安を誘うリフながらもかっちりしたリズムがベースやドラムと絡み合い、独特な世界観を作っています。
シンプルな音使いですが、バンド全体のリズムの変化によっていろいろな顔を見せ、それが名曲へと消化されてしまいます。
詰め込むようなギターばかり意識するのもいいですが、ここらでリズムの重要さに気づいていただければ幸いです。
ギターでそれなりに曲が弾けるようになってきたんだ。
けど、気がついたら周りの演奏より早くなってたり、テンポの遅い曲だと弾いてて不安になるんだにゃあ。
これってリズム感がないのかな?