今までに高級車に乗ったことのある人ならわかると思いますが、車内は走行中でもとっても静かです。
それに比べて最近のコンパクトカーなどは燃費を気にして特に軽量に作ってあることもあり、騒音は大きいものです。
ちなみに運転で疲れる要因は、振動・騒音・操作性です。
車に長時間乗ることの多い人にとって、騒音はジャブのように疲労をつめ込んできます。
せっかくの楽しい旅行も運転で疲れてしまっては、旅先で疲れて眠ってしまい楽しめませんね。
自分の車も少しでも静かにするために、今回は僕が自分の車に施したフロアデッドニングについてご紹介していきます。
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要は高級車のように静音化素材を設置すれば良い。
そもそもなんで高級車は静かなのでしょうか。
排気量が大きいからエンジンを無理に回さなくて良いとか鉄板の厚みがあるなど根本的な問題もあります。
しかしそれ以上に大きいのが、車内に侵入してくる音を遮断したり共振するのを防ぐ施工を存分にしてあるからなのです。
もちろんコンパクトカーなどもそういった処置はしてますが、コストや重量の関係もあり最低限のものとなっています。
ということは、その最低限の施工を高級車並みにのせてやることができれば車は静かになるはず。
騒音の大本は大体がロードノイズで、基本的にフロアの共振や音の侵入などによっておこります。
というわけで走行ノイズを抑えるためには、まずフロアデッドニングが効果的という結論をだしました。
フロアデッドニングのために用意したもの
というわけで静音性を高めるための方策が決まりました。
では実際に施工するにあたってどういった物が必要なのでしょうか。
僕が今回用意した素材は以下の3点です。
- レジェトレックスシート
- ニードルフェルト
- 遮音シート
レジェトレックス
レジェトレックスは鉛とブチルシートを絡めることで鉄板の重量を増加させ、ボディの共振を防ぐ効果を求めています。
この貼り付ける鉄板の厚みがある方が効果的とのことですが、増えればその分重量が増えますから燃費などの兼ね合いを考えて用意してください。
ちなみにパネルの1/3を張り詰めないといけないですから、ケチらずにすむよう余裕を持った量を用意しておきましょう。
ニードルフェルト
こちらは、音源と人との間に詰めることで入ってくる音を吸音する効果を期待しています。
ニードルフェルトは一般的によく使われているので僕も今回用意させていただきました。
より効果が高いものとしてシンサレートというものもあるようですが、今回はコストのことを考えてこちらにしました。
遮音シート
太いゴムシートで音源から入ってくる音を遮断する効果を狙っています。
これも特に車用というものはないので住宅用の遮音シートを選びました。
大建工業という住宅に使われるようなシートですので車の騒音に対してどの程度効果が見込めるかは未知数です。
逆に言えば住宅に使われるほど信頼性のあるものなのです。
フロアデッドニングしちゃいますぜ
今回施工するのは度々登場する僕の愛車、K12マーチさん。
日産マーチ(K12)から雨漏り!原因を調査し、修理してみる!や雨漏りしていた日産マーチ。今度はトランクルームのサビを修理するなど、多くのDIYで協力して頂いてます。
マーチはなんだかんだで低価格が売りの車だからエンジンノイズやロードノイズがひどいです。
ですから前々から一度はやってみたかったフロアデッドニングで、どれくらい静かになるのか気になります。
施工のやりがいがあるってもんです。
内装をバラそう
まずはトランク側から内装をばらしていきます。
ここは車によって違うので一概にはいえませんが、ほとんどのパーツはフロアとつながっていますから、大掛かりな分解が必要になります。
ですから事前に部品を置くスペースとそれなりの覚悟が必要です。
とりあえずマーチの手順を説明しますと。
- トランクのボードを外し、スペアタイヤを外す
- ハッチ周りの樹脂パネルを下からバリバリ外していく
*ほぼ引っ張るだけ - 後席を取り外す
*座面は2つの爪で引っかかってるだけだからパワーで引っ張る - 背もたれはメガネレンチでちゃちゃっと外してしまいます
- 内側のプラスチックっぽい布の部分をはずす
*プラスドライバーで外すタイプのピンで止まってるので気をつけましょう - 次はフロントシートを2脚とも外す
*これも長めのメガネレンチがあれば楽勝 - センターコンソールを外す
- あとはフロアに敷いてあるマットを剥がす。
制震剤・吸音材・防音材の施工
大変なのはここまでで、あとは持っている材料をふんだんに使っていくだけです。
まずはレジェトレックスで鉄板の薄い部分を補強していきます。
次に上から吸音材としてニードルフェルトをバシバシと敷いていきます。
最後にこの上から遮音材を載せていきます。
こんなかんじ。
ニードルフェルトを覆うように乗せていけば問題ありません。
楽勝ですね!
とまぁまとめるととてもラクに見えますが、ここまで来るには紆余曲折があり非常い大変でした。
サビがあったので剥がして補強しようと思ったら大穴が空いてしまったり、思わぬところがサビていたりと問題ばかりの車です。
だいたい時間としては、ここまでで5、6時間は余裕でかかってます。
手が早い人は余裕かもしれませんが、一日作業は覚悟してください。
そういえばエーモンの静音計画のフロアマットの余りがあったのを思い出しました。
ついでなのでホイールハウスにレジェトレックスを張って上からそれをガムテで張ってみます。
ホイールハウスやその付近の穴もロードノイズの温床ですから、できるだけ埋めてしまいましょう。
穴にはニードルフェルトを詰めて遮音シートを上からかぶせておけばよいです。
元に戻して完成
はい、あとはやってきた手順の逆をして内装を戻します。
作業中は外にフロントシートを置きっぱなしだったうえ、雨まで降ってきました。
その日のうちにフロントシートぐらいは戻さないとまずかったので急ピッチ作業でした。
この作業は天候にも注意しておいたほうが良さそうです。
施工するとかなり良くなった!
では施工してみてどうだったのかというと、間違いなくロードノイズの高い部分がなくなりました。
ロードノイズはコーっという高い音やそれの倍音みたいなものが車の中で響き、うるさいことが多いけどそれがなくなったのです。
ただ低音のゴーッというノイズは逆に耳に入るようになりました。
ただこれは今はスタッドレスタイヤだからでしょう。なので春にコンフォートタイヤに変えればかなり改善されると見ています。
というわけでうるさいスタッドレスタイヤでは低音ノイズが目立ってうるさいと感じるようになるほど、効果の程はたしかにありました。
このように車の静音化は、片方を持ち上げたら片方が気になるというようにバランスが重要となってきます。
次はきっとドアのデッドニングを行っていることでしょう。
*2020/9追記
同様の施工を現在所有しているプリウスに施工してみました。
マーチのときは主観的な感想しか有りませんでしたが、今回は画像を撮ってみました。
同じ道を施工前と施工後で画像を取りました。
同じ道を約時速60kmで走行して比較しましたが、施工前と施工後では約3dbの差が出てます。
ただプリウスは元々静かな部類に入る車のためか、体感としてはマーチほどの変化は感じられませんでした。
うちの車、走行音がとにかく気になるにゃ。
風切り音とかもそうなんだけど、とにかく床から上がってくる音がゴーゴーとひどい。
普通の車だからある程度の妥協は必要なのはわかるけど、お気に入りの車だからなんとかしたい。