新車と中古車ってどっちが得なの?!車を買うとなると悩む人も多いと思います。
お得を考えるなら中古車一択ですが、実は結構車によります。
新車ディーラーで8年間働き、気がつけば販売士認定2級を獲得していた僕。
在籍の間は新車だけでなく、中古車もお客さんに融通していました。
その際どちらの販売においてもメリット・デメリットに合わせた提案と説明を行います。
発生するトラブルの回避やお客さんに良かった!と言われる対応をしていましたね。
そんな中で実際に感じた対応の経験や販売の印象などから、新車と中古車のどちらがどうお得かという視点で解説していきます。
Contents
不人気車は中古車、人気のある車は新車!
車を買うとき、車種も重要ですがどうやって購入するかも含めてすごい悩みます。
- どんな車にに乗ろうか?
- ミニバンかSUVか?
- 新車か中古車か?
- はたまた友人にもらうか?
- 親のお下がりか?
少し上げただけでも悩む要素いっぱいですね。
今回はその中でも特に悩みの多い新車と中古車のメリットデメリットを、カーディーラー経験者の僕の視点から見ていきます。
結論としては”不人気車は中古車、人気のある車は新車購入”がお得です。
新車のメリット
人気のある車は新車を選んだほうが良いわけです。
その理由をお伝えするために、まずは新車を選ぶメリットから見ていきます。
誰も乗ってないサラな車
新車のメリットと言えば、まだ誰も乗っていないおろしたての車ということです。
やはりこれが重要で、新車って言ったら自分が乗るまでの間に誰も運転してないというのが気分的に嬉しいのではないでしょうか。
日本人の性。
ご祝儀相場、初物などなど何でもかんでも初物というのは好まれます。
ボジョレーヌーボーがここまでお祭り騒ぎなのも日本の国民性でしょう。
ただこれに関しては、納車までに誰かが回してるんだから関係ないとかごちゃごちゃ言う人はいます。
そういった話をすると何でもかんでも製造している人が一番になっちゃうので、気にしてはいけません。
車検証に初度登録とともに名前が書かれるのはあなたです。
補償が長い/豊富
先程のサラの車というのは、気分の問題だということがおわかりいただけたと思います。
これだけなら新車にしなくとも中古車で流行りの未使用車とそれほど変わらないでしょう。
しかし大きなメリットは次です。
なんといっても補償があるかないか。
新車といえばメーカーやディーラーから手厚い保障がかかっております。
走っていて急にナビが映らなくなった、意味不明なエラーが表示されている、エンジンが急に飛んだ。
そんな事があっても安心です。
期間内なら全部直してくれます。
さらに車検のタイミングで補償の延長が可能であったりと、安心感が欲しい人には願ったり叶ったりでもあります。
中古車ではこうは行きません。
場合によっては現状渡しで、納車の瞬間にエンジンが飛ぶかもしれません。
これは自己責任です。
最新の機能
こちらも新車ならではのメリット。
最新のシステムや性能です。
ちょっと前までは正直言って燃費競争とコストカットが激化していました。
そのため加速性能はどんどん鈍くなりデザインがどんどん安っぽくなり「性能の進化どころか劣化してんじゃない」という状況でした。
しかしときは現代。
車は自動で危険を判断してブレーキを踏んだり、自動で前の車を追尾して走ったり、しまいには駐車までしてしまいます。
今ではよく聞く安全機能も、実はここ2、3年の話です。
メーカーによっては一歩前へ進んでるところは確かにありました。
一般的な車に普及してきたのはここ最近ということもあり、中古車では味わえない魅力の一つです。
自分好みの車
意外に見逃しがちなメリットがこの自分好みの車を選べることです。
中古車ってのは人気の高い色が揃う傾向にあり白、黒、シルバーばかりです。
この車のピンクが好き!って思っても中古車ではなかなか出てこないです。
ましてやサンルーフ付きの車なんて国内の中古車市場では夢のような存在ですし、意外に少ないのが4WDです。
4WDを購入する人は長く乗る傾向にあるため、中古車にはなかなかあがってきません。
自分好みの車を欲しい人や車に求める条件が厳しい人も新車のほうが良いでしょう。
初回車検が長い
新車のメリットとして意外に見逃しがちなのが、この車検期間です。
中古車ってのはどう伸ばしても2年後には車検。
場合によっては納車から半年で車検ということもあります。
こういったメンテナンスが面倒という人は初回車検の長い新車が便利だったりします。
エコカー減税
そして最近の新車購入のメリットと言えばエコカー減税です。
車を買うときは金額の単位が大きすぎてなかなか目に入りませんが、実はエコカー減税というのは非常に大きな割引になっています。
わかりやすいのはハイブリッドカーで、減税処置で購入時の所得税や重量税、更には翌年度の自動車税など非常に多くの優遇を受けることができます。
軽自動車から燃費の悪そうなミニバンまで意外に多くの車種が対象になっています。
さらに同じ車種でもグレードや装備によっても対象であったりなかったりしますから、そのあたりはしっかり相談したほうが良いです。
新車のデメリット
お次に新車を購入するデメリットを見ていきましょう。
高い車両価格
新車のデメリットはなんと言ってもこれ。
最近の新車は非常に高いです。
日本ではもう何十年も平均所得はあがってないというのに、車両価格はうなぎのぼりです。
軽自動車は100万円では買えません。もはや200万円時代です。
ただでさえ生活が困窮している人が多い中で、新車にお金を割く余裕がある人はいるのでしょうか。
と不安になるほどの価格設定です。
まぁ仕方がありません。
ほしいのであればローンでも何でも使って購入しましょう。
事故したときの不安
購入価格が高いデメリットだけではなく、購入後のデメリットもあります。
それが事故落ちです。
新車を納車した時に限って一ヶ月ほどで廃車に近い事故をもらったりする。
そんな現場も見てきました。
こんなときお客さんから「ああ、中古にしとけばよかった。」という心の声が口から漏れています。
もちろん事故しても大丈夫なように車両保険に入っていれば良いですが、掛け金は倍増です。
例え保険で直せたとしても車のフレーム修正するほどの事故にあってしまった場合、下取りに出すときには事故車としてマイナス査定を受けてしまいます。
新車で乗り継ぎを考えている人にとっては大きなデメリットです。
そう、新車の購入のデメリットはほとんどお金なのです。
中古車のメリット
新車のメリットとデメリットを見てきました。
では次は中古車選びのメリットとデメリットをご紹介していきます。
車両価格が安い
なんと言っても中古車のメリットは車両価格が安いことです。
これが一番じゃないでしょうか。
どんな車もナンバーが付いた瞬間にガクッと値段が落ちます。
それを流通させるわけですから当然中古車は安いです。
5年落ちとかであれば、大体の車は新車時の半額ぐらいには落ちていることがザラです。
ただプリウスやハリアーなどのように、ある一定以上の需要がある車はそれでも高値で取引されています。
こういった例外を除けば、中古車は新車に比べてとても安く購入することができます。
正規ディーラーなら保障が厚い
保証は新車購入の大きなメリットというお話をしましたが、実は中古車にも保証はあります。
中古車を購入するとディーラーによっては大体3ヶ月ぐらいの保証がついている場合が多くあります。
さらにそれだけではなく中古車特有の延長保証というものも存在します。
これは、ある一定の金額を払うことで保証を1年や2年延長させるサービスというもの。
不確定要素の大きな中古車には非常にありがたいサービスです。
ただこれも車体購入価格や車種によって金額が決められており、ものによってはすごく高いです。
これは入るも入らないも自由です。
僕は不要なトラブルは避けたいので中古車を売ったお客さんにはもれなく入ってもらっていました。
だってその方が気持ちよく付き合っていけるからです。
どうでもいい人だったら断られた時点でわかりましたと言って外します。
信頼関係ですよね。
あと登録から5年以内の車は、大体エンジンやミッションなど車の根幹部分に関する保証は残っている場合が多いです。
もちろん保証継承されていることが前提です
悲しいお話といえば、車がおかしいといってお客さんが車を持ってこられたときのこと。
エンジンの調子が悪いのですが、この年式なら保証で直せそうだなという車だったのです。
しかしそれは実は中古車で購入したもので、さらに保証継承がなされていませんでした。
保証継承されていないのでもちろん保証で修理はできません。
こういった場合、購入したところになんとかしてもらうか、泣き寝入りしかないのです。
登録から5年以内の中古車を購入する場合は、必ず確認しておきましょう。
豊富な車種
中古車のメリットとして意外に見落としがちなのが、この選び放題の車の豊富さです。
実は新車って現在発売されている車種以外は、絶対に購入することができません。
たとえばプリウス。
現行型プリウスになってすごくデザインが批判されていました。
いざ車を買おうと思って新車ディーラーへ行って、現行モデルのデザインが気に入らないから先代の30プリウスを売ってくれと言っても購入はできません。
絶対です。
モデルチェンジ前後のギリギリのタイミングで、たまたま在庫があったとかならば購入できる可能性はあります。
しかし通常はほぼ不可能です。
しかし中古車市場にはいっぱい昔の車が出回っています。
それこそ僕の大好きなミラジーノも今でも現役で取引されています。
もちろんモデルというのも重要ですが、実はボディカラーなども一時限定で販売されたものがあるなど今では選べないものもあったりします。
そう、これだけ豊富な車種から自分にあった一台を選ぶことができるのも中古車の大きなメリットです。
中古車のデメリット
では続けて中古車購入のデメリットを見ていきましょう。
故障の不安
やはり中古車選びでいちばんのデメリットなのは故障です。
前の人がどんな使い方をしていたのかわかりませんし、マニュアルミッションなんかはクラッチに変な癖が出たりします。
ブレーキパッドやタイヤ、バッテリーやヘッドライトなど、今すぐどうこうということはなくとも多くの消耗が出ています。
ハイブリッドカーや電気自動車はバッテリーの劣化という問題もあります。
さらに人によってはメンテナンスに疎い上に車に金をかけたくないといって、オイル交換やフルードの交換を怠たってエンジンなど駆動系が最悪な状態。
さらにシートのヘタリなどもあったりと、とても都合よく乗れない場合もあります。
それが外観からはわかりにくいのが、中古車の難しいところです。
車を見抜く力
故障の不安ももちろんですが、この車が本当に事故してないか?状態がいい車なのか見抜く目というのも重要です。
いろいろコツはありますが、簡単なのは一つ。
整備手帳を見てしっかり整備されているか。
それがいちばん重要な見分けポイントとなってくるでしょう。
今どき普通のディーラーなら事故車はほとんどチェックされており、お客さんに説明しています。
それでも疑ってかかるのも必要かもしれませんが、事故をしてても整備をしっかりされてた車ってのは、案外いい働きをしてくれるものです。
補償が複雑
中古車のメリットで保証が手厚いという話をしましたが、なぜデメリットにも補償が出てきているのでしょうか。
実は中古車の保証の場合、その内容が複雑っていうのもあるあるなのです。
新車であれば、壊れたらディーラーへ持っていけばすべて保証でしょう。
もちろん消耗品は除きます。
しかし中古車の場合、「ここは保証だけどここは保証ではない」などといった取り決めが細かいです。
例えばカーエアコン。
突然効かなくなったと言っても直してくれるかどうかはわかりません。
エアコンといえばすでにエンジンの一部のようなイメージですが、あくまで電装系でエンジンなどの特別部品とは別物で、保証対象にならない場合もあるのです。
保証書の内容次第ですから、しっかりと把握しておきましょう。
試乗車だからといって安心できない
未使用者と並んで人気の高い試乗車。
試乗車は新車と変わらないとお思いのあなた。
しかしこの安心が中古車のデメリットなのです。
試乗車って実はかなり遊んでます。
色んな人がエンジン全開にしたりごちゃごちゃとスイッチ類を触ってたり。
さらには車検や板金などの代車にも出すもんだから、誰がどんな扱いしてるかなんてさっぱりわかりません。
ある意味ワンオーナーの中古車よりタチが悪いかもしれません。
ひとこと注意するのであれば、走行距離が極端に多い試乗車落ちは気をつけたほうが良いです。
新車と中古車。結局どっちが良いのだ
ここまで新車購入と中古車購入それぞれのメリットとデメリットをお話してきました。
ではそろそろこの結論を出していきましょう。
不人気車を買うなら中古車。
早速結論を話していきますが、欲しい車が不人気車という人は中古車が良いでしょう。
特に
- 5年落ち程度の中古車
- 試乗車落ち
これらを狙うのが一番効率的です。
こういった車の価格は5年程度経っていれば、ほぼ新車時の6割から7割程度の金額になります。
さらに不人気車とならば半額以下になっている場合もあります。
もちろん新古車や試乗車落ちもかなり魅力的な値段となっているでしょう。
これならばその後のリセールバリューに悩まされることもないです。
長く乗って乗りつぶしてもいいし5年ほどで乗り換えても意外に10万ほどで引き取ってくれることも多いです。
それに不安な消耗品などについても良心的な中古車ショップであれば、バッテリーやタイヤなども納車時には新品になっていたりと安心して購入できます。
車を見て判断できる確かな目はもちろん重要ですが、5年落ち程度であればそれほど故障の問題はありません。
不安があれば保証延長をつけておけば間違いないでしょう。
自分の欲しい車が不人気車かどうかはネットで車名を検索すれば良いです。
ブログなどを見ていると大体この車は不人気なのでとか親切丁寧にかいてあります。
人気車種は新車がおすすめ。
不人気車が中古車が良い。
ということは逆に人気の高い車は、当然新車購入が良いという結論になります。
ちょっとここで実験です。
”中古車 プリウス”で検索してみましょう。
そして絞り込み機能で5年落ちのモデルを検索して大体の値段を記憶しておきます。
こちらの場合Sツーリングで218万円です。
次に新車のプリウスを検索しましょう。そして公式ページで車両価格を見てください。
Aプレミアムで323万円です。
そう、100万円ぐらいしか変わらないのです。
そう、人気の高い車ってのは5年経ってても新車からそれほど値段が落ちません。
中古車の大きなメリットは価格だったはずです。
だったらこんな高い車を中古車で買う理由はありません。
というわけで人気の高い車は中古車で買うと損です。
そして今人気絶頂の軽自動車。
こちらはどうでしょうか。
至るところで未使用車、馬鹿の一つ覚えで未使用車、何がなんでも未使用車と小学生でも洗脳されるほど未使用車というワードに侵されています。
未使用車とはナンバーだけ登録したまだ誰も乗っていない中古車です。
そして一応中古車ですから未使用車は安い。
じゃあ未使用車でいいじゃない?って話ですが、そんな単純な話では終わりません。
新車ってのはそのままのプライスではなく、値引きやサービスなどというものがついてきます。
なので新車購入するときは、実は価格は限りなく未使用車に近づくのです。
ただそれでも多少未使用車のほうが若干安いでしょう。
ただ思い出してください。
新車には保証や長い車検、そしてボディカラーや機能などを自分で納得したものを選べるという、意外に魅力的な部分が多いのです。
後は担当者との信頼関係というのも有るでしょう。
なのでこれら人気の高い車は、値引率なども考えると新車で購入したほうが絶対に良いです。
選ぶ基準は人それぞれです
今回結論として、人気のある車か不人気車かで新車中古車を購入する基準をお話しました。
ただこれは、あくまでこれは一つの基準として捉えてください。
僕がちょっと馬鹿にしたように書いた未使用車だって良いところはありますし、新車にだってデメリットはあります。そして一番良いのは、いい車との出会いです。
古めの中古車、5年落ち以降の中古車を購入する場合は、車がかなり疲れてきています。
ある程度車を見分けることのできる目が必要です。
そこまでしてもこの辺りの車は価格メリットは限りなくあり、車が生活必需品なだけと割り切る人、車にできるだけお金をかけたくない人、とにかくこの車に乗りたいと思っている人、などなど多くの需要にマッチします。
この辺りを見抜く目というかある程度の基準もありますから、これはまたの機会にお話しましょう。
というわけで新車か中古車か、選ぶ基準を発表していきました。
車がほしいけど新車と中古車どっちが良いんだろう。
新車は機能も燃費もいいけど、中古車は価格が安いからその分いい車も選べそう。
でも買ってすぐ壊れたとかいう話を聞くから故障とかも不安だし、どっちを買えばお得なの?